この記事を読むのに必要な時間は約 6 分です。
「モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか (著者:ダニエル・ピンク、訳:大前研一)」を読みました。
「モチベーション3.0」というのは、自分の内面的から持続的に湧き出てくる、何かを学びたい、創造したい、世界を良くしたいという、内面からくる「やる気」のことを指しています。 Wikipediaやオープンソースのソフトウェアを支えている無償のボランティアを動かしているのが、このモチベーション3.0だといいます。
ちなみに、お腹空いたからとか、喉が渇いたからといった「生き残るためにやらなきゃ!」という理由によるやる気を「モチベーション1.0」、会社からお給料をもらえるからとか、やらないとお客さんからクレームが来るからといった外部の要素によるやる気を「モチベーション2.0」と、この本では呼んでいます。
20世紀のルーチンワークにはモチベーション2.0が有効だったけど、これからの働き方にはモチベーション3.0が重要になってくるよ、というのがこの本の趣旨。
私は正直、今はモチベーション2.0に従って、給料がもらえるから働いているという面が強いです。モチベーション3.0を高くしていくにはどうしたらいいんでしょう。
また、モチベーション2.0が給料やクレームを理由にして行動するのに対して、モチベーション3.0にはどのような要素が必要なんでしょう。
「モチベーション3.0」を構成する3つの要素
この本では、モチベーション3.0に基づく行動は、次の3つの要素を拠り所にしているとしています。
- 自律性
- マスタリー (熟達)
- 目的
ちょっと言葉が難しいですね。頑張って、少しかみ砕いてみます。
1.言われたとおりにだけやらない ー 自律性
「自律性」とは、時間の使い方とか、進め方、チームなどが自分の判断に任せられていること。出社時間が自由な会社や、Googleなどで業務の一部で好きなテーマに取り組んで良い「20%ルール」の例が紹介されています。
あれもこれも会社から縛られた状態から、自分で好きにやっていいよという部分があることが重要なようです。
会社の規則なので、なかなかどうにもならんなと思う部分ではあります。ただ、自分が少しでも「モチベーション3.0」を持って仕事をするためには、自律性を持たせてもらえる要素を探して、自分から提案していかないといけないかな、と思います。
「こういう課題を取り上げたい」、「こういう体制を組みたい」、「こういうやり方で進めたい」など少しでも自分がやりやすい環境を自分で作ると良いのかも。
2. 上手くなりたいと思う ー マスタリー(熟達)
「マスタリー(熟達)」とは、自分にとって意味のあることを上達させたいという気持ちのこと。
「これをうまくなりたい」、「ここをマスターしたい」と思えれば、やる気が沸かない作業にも集中できるかも知れません。
その仕事の本来の目的以外に、「Powerpoint資料の作成スキルを上げてやろう」とか、「プレゼンをうまくなろう」、「この業務に関しての知識を極めてみよう」といった、マスターしたいテーマを決めてみるのが良いかも知れないですね。
3. 何のためにやるのか納得する ー 目的
ここでいう「目的」とは、いくら売り上げるかではなくて、自分以外の人・もの・社会などの役にどう役立つかということを指しています。
誰かの役に立つと思えることが、モチベーション3.0に繋がるということです。冒頭に書いたWikipediaやオープンソースに関わっている人達は、その目的が世の中の役に立つと感じているからこそ報酬がなくても活動に取り組めているのではないかと思います。
自分の仕事は、誰の役に立つんだろう。それが明確でないのであれば、まずは自分自身が納得して、そのために頑張ろうと思える目的を設定したいですね。例えば、それが上司がうまく顧客に説明できるようにするために、わかりやすい資料を作る、という狭い目的でも良いんじゃないかと思います。
まとめ
この本は、どちらかというと組織側の観点でそのメンバーにモチベーション3.0を持たせるには、何を考慮していくべきかという内容です。
ただ、読んでいくうちに、今回紹介した3つの要素を組織が与えてくれないと不満をいうのではなく、自分で取り込める要素は自分の問題として取り組めないかな、と感じて書いてみたのが今回の記事。なかなか、まとめられず超苦戦しました。
少しでも考え方のご参考になれば幸いです。