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報告書の内容が回りくどくて分かりにくい。依頼メールの文面に相手が気分を害さないかハラハラする。
私より若いメンバーが書く文章を読んでいると、こういうことがよくあります。
ビジネス文書や仕事上で書くメールの文章では、2つのテクニックを駆使して書かれた文章が評価されます。
その2つのテクニックが解説されているのが、今回読んだ「人より評価される文章術」です。
評価される文章を書くための2つのテクニック
ビジネスの場面で評価される文章を書くための2つのテクニック、それは「ロジカル・ライティング」と「エモーショナル・ライティング」です。
ロジカル・ライティング
「ロジカル・ライティング」とは、「内容を論理的に組み立てて、わかりやすくする文章テクニック」のことです。
「誰が、いつ、どのようにやるのか書かれていない」、「ダラダラと書かれていて言いたいことが分からない」、「君の事情はいいから、主旨をハッキリさせろ」、こういった悪い評価を受けるのはその文章が論理的に書かれていないからです。
この本では、「ロジカル・ライティング」を身に付けるためのノウハウとして、読み手と目的を明確にして書くことや、文章をブロックに分けてポイントを分かりやすくすること、事実と意見を書き分けることといったアドバイスが例を交えて紹介しています。
説得力や読んだ人の評価を高めるためのコツとして紹介されていた、否定形や不可能表現を多用しないというアドバイスは私も意識していなかったので、今後気を付けたいと思います。
エモーショナル・ライティング
一方「エモーショナル・ライティング」とは、「相手の心を動かす文章テクニック」のことです。
このテクニックでは、「どう書くか?」よりも「何を書くか?」が重要だといいます。
この「何を」の視点として、本書では次の3つを挙げています。
- 何を書けば、相手は喜んでくれるのか?
- 何を書けば、相手の役に立つことができるのか?
- 何を書けば、相手の手間を省いてあげることができるのか?
これらの視点を持つことで、例えばメールの追伸で相手を褒める、情報を提供する、相手に困っていることがないか聞く、相手の手間を省けるよう指示語(こそあど言葉)は使わず具体的に書く、といった相手に配慮した文章が書けるようになります。
この本では他にも「エモーショナル・ライティング」の手法として、相手に納得してもらうための文章や、相手に感動してもらう文章の書き方についてアドバイスがされています。
まとめ
ビジネスで書く文章では、理解しやすい論理性の高い文章と、相手に説得・納得してもらうための人を動かす文章のどちらも重要です。
それが適切に書かれていないと、報告内容が正しく理解されなかったり、仕事相手の心象を悪くしたりすることで、最悪仕事上の評価を落とすことにも繋がりかねません。
「ロジカル・ライティング」と「エモーショナル・ライティング」の両方のテクニックについて基本的な考え方が整理された本書は、特に若手のビジネスマンが読むと役立つ一冊です。
「お前のメールは分かりにくい」と上司からよく指摘を受けていたら、文章改善の最初の一歩として読んでみてください。