「新世界より」独特の世界観を持ったSF大作 [書評]

この記事を読むのに必要な時間は約 3 分です。

ホラーを得意とされている作家さんという前提知識も本の内容も全く知らなかったので、なぜ図書館に予約したんだろうという感じですが、数ヶ月待ちの順番が回ってきて読みました。色々、賞を獲っているのでその関係で知ったんだったと思います。

舞台は1000年後の日本。利根川の下流のようなので、舞台は今の千葉県から茨城県のあたり。
科学文明は衰退していますが、人々は魔法のような呪力を使い、結界が張られた世界の中でこぢんまりと暮らしています。
子供達は、その外に居るとされる業魔や悪鬼に出会わないように決して結界の外に出ないようにと言われているのですが、、、
というような形で話が始まります。
前半、この世界観の説明やこの世界に何故か存在する、知能を持ったバケネズミや、現世界には居ない異形の生き物の紹介的なストーリーから始まるのですが、ホラー的なファンタジー小説に感じたので、ちょっと期待外れな感じでした。

ただ、これが上巻のある時点でこういった生き物が存在する理由等が語られたあたりから、一気にSF小説の色を帯びます。その後もおどろおどろしい生き物達は最後まで出てくるのですが、この時点から私は一気に引き込まれ、一晩でこの大作を最後まで読み切ってしまいました。
問題はこの本、ハードカバー版は「上下巻」、文庫版は「上中下巻」構成なのですが、私が借りたのは「文庫版」の「上下巻」。
迂闊すぎますね。。中のKindle版のみ、購入するという間抜けなことをしてしまいました。

ほんとに全く何も情報を得ずに読み始めたのですが、この冬、アニメ化されていたのですね。
観たかったような気もしますし、グロいシーンがかなり出てくるストーリーなので、頭の中のイメージ程度に映像化は抑えておいた方が良いような気もします。

この記事を書いた人

阿部 雅彦 (まさ)

1971年 大阪市生まれ。現在は東京の下町に在住。
都内のメーカーで技術系スタッフとして働くサラリーマンブロガー。
高3と中2の二人の息子の父。
iPhoneアプリを駆使して毎日の行動を記録。人呼んで「変態ライフロガー」。