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上阪徹さんが書かれた『「聞き方」を変えればあなたの仕事はうまくいく』を読みました。
上阪さんは、これまで3,000人を超える方にインタビューした結果を基に、多くの書籍や雑誌の記事を書かれてきたブックライターを職業とされています。
そのお仕事の半分は、取材に足を運び、人に話を聞くインタビュー。
この本には、プロのインタビューアーとしての経験から上阪さんが身に付けられた、聞く姿勢や会話法といった「聞く」ことに関するノウハウが詰まっています。
以下でこの本の概要をご紹介します。
コミュニケーション全般に役立つ「聞く」ノウハウ
どんな仕事をしていても「聞き方」は重要
この本で書かれているのは、基本的にはインタビューアーの立場から、インタビューを受けていただく方への「聞き方」が主です。
上阪さんのように、人にインタビューすることを仕事にしている方は多くないでしょう。
ただ、他の仕事をしていても、こういった関係で人から話を聞く場面が存在します。
例えば私であれば、上司に指示の内容を確認したり、問い合わせの電話で要望を受けたりする場面で、同じような立場で人から必要な情報を「聞く」必要があります。
こういった場面で、必要な情報をうまく獲得する「聞き方」ができるかどうかは、その後のアウトプットに大きく関わってくることを実感しています。
「あの会議で受けた指示は、結局何が言いたかったんだろう。」「うまく質問の意図が伝わらずに必要な情報が聞けていなかった」
うまく情報を聞けないと、こういったことになってしまいます。
9つの「聞く心得」
上阪さんはこの本の冒頭で、この「聞く」行為にコミュニケーションの才能はいらないと書いています。
そして「聞く心得」として次の9つを挙げています。
- 聞かれることはうれしいことであると知る
- 聞くことは意外に簡単ではないと認識する
- 聞く姿勢は相手に伝わると理解する
- 相手に関心を持つ
- 大事なことは、話しやすい雰囲気作り
- うまく聞こうとしなくていい
- やってはいけない聞き方がある
- 聞くことは学びにつながる
- 聞いていれば、聞いてもらえる
この心得を実践するためには、どうすれば良いのか。それがこの本で書かれている内容になります。
「思わず話してしまう人」になるための聞く姿勢や、ピンチの時の会話法、続かない会話を引き起こすタブーなど、仕事に限らず普段のコミュニケーションにも活用される内容が紹介されています。
私はその中でも「聞きたい話を必ず聞く方法」と「聞きにくい話を聞く方法」という2つの具体的なコツが参考になりました。
あとがき
上阪さんのことはブックライターとして、以前から存じ上げていています。
トークイベントに伺って、懇親会でご挨拶をさせていただいたこともあります。
そんなこともあり、上阪さんが書かれた本の多くが、各界の著名人へのインタビュー結果に基づいて書かれていることを知っていました。
この本は、その上阪さんのお仕事の根幹を支えるノウハウが詰まった本です。
プロのインタビューアーの聞くノウハウをぜひ知って、仕事や普段のコミュニケーションに役立ててください。